平井 遼介のホームページ
研究内容
連星系内の超新星爆発
私は主に連星系について研究しています。特に、太陽の8倍以上重い星は最後に超新星爆発を起こすことが知られていますが、そのような大質量星を含むような連星系に注目しています。これまでは超新星爆風が伴星に当たった際にどのようなことが起こるかを調べてきました。またiPTF13bvnやCassiopeia A、SN2006jc、SN2019yvrという超新星について、爆発までにどのような進化経路を辿ったかなども調べています。
超新星直後に生まれた中性子星は一般に高速なキックを受けますが、それが伴星との衝突に繋がった場合にどういう現象が起こるかについても探っています。特に、中性子星が伴星の外層を貫通する場合に注目していて、それによって超高速逃亡星、パルサー惑星、でこぼこした超高輝度超新星光度曲線など面白い現象を引き起こしうることがわかりました。
キックを受けた中性子星はさらにロケット機構と呼ばれるゆっくりとした加速をする可能性も示唆されています。それが起こると、瞬発的なキックのみでは得られないような軌道の連星を形成しうることがわかりました。
連星合体
連星系内にある星は時に合体することがあります。私は大質量星同士の合体現象について研究を行っています。特に、イータカリーナと呼ばれる特異な星の形成過程として大質量三重連星内での合体現象に注目して数値シミュレーションなどによるモデル化を行っています。
X線連星
大質量X線連星とは、中性子星やブラックホールなどのコンパクト天体が伴星から吹く恒星風の一部を降着することで光る天体である。私はこのような近接連星で潮汐力が恒星風の駆動及び降着にどのような影響を与えるかを探っています。
数値計算手法
宇宙物理学において定量的な研究を行う際には多かれ少なかれコンピューターを使った数値計算が不可欠になってきます。しかし、多くの場合コンピューターパワーが足りないため解像度を粗くしたり近似を行ったりして計算を行っています。私は数値計算の高速化・効率化に関する研究を行っています。特に、自己重力流体シミュレーションについては劇的な高速化に成功しました。